五條市  その1−2

 源龍寺(げんりゅうじ、TEL 07472-2-7367)

 「栄山寺」から「吉野川」に沿って上流へ約6キロ行くと、五條市南阿田に浄土宗、吉水山「源龍寺」が県道39号五條吉野線の脇の一段高い所にあります。毎年4月第一日曜日の13:00から行われる「流し雛(びな)」が有名で、男女一対の紙織り雛を作り、竹の皮の船に乗せて、着飾った数人の女児がお寺に集まり、法要を済ませた後、13:30にお寺を出発して、ちょっと離れた「吉野川」の岸辺で、「私たちの今までの罪汚れをお解き下さい」とお願いして、雛を「吉野川」の清流に流します。「源氏物語」須磨の巻にも載っていて、戦前までは伝統がよく守られたけど戦中戦後一時途絶えて、昭和44年に復活しました。
 式内社「阿陀比売(あたひめ)神社」の本殿

 「源龍寺」からまた「吉野川」沿いに下流へ1キロ戻って、「阿太橋」を渡り、北へ向かうと、一日に4本しか来ないバス停「阿田山田」の近くに「阿陀比売神社」が鎮座しています。創建は、第10代崇神天皇15年と伝えられ、後に、721年(霊亀7年)藤原武智麻呂が社殿を改築し、阿陀郷の氏神です。本殿は春日造、桧皮葺、寛正年代(1465年頃)の棟札があったけど今は不明、現在の建物は江戸時代初期と考えられ、五條市指定重要文化財です。なお、主祭神は阿陀比売命、木花咲耶比売命(このはなさくやひめノみこと)で、安産の神様として祀られ、妊娠5ケ月の女性の方が犬の日に腹帯をいただきに多く訪れます。
 五條市西阿田の「御霊神社(神霊宮)」

 「阿陀比売神社」から更に北へ行くと、バス停「阿田山田」を過ぎて曲がり角の手前、左側の高台の上に石碑「磐座の森」が建ち、また、曲がり角の右下には石碑「伝承、天盤舟」が建っています。更に北へ進み国道370号線を渡って、直ぐ左側に五條市西阿田の「御霊神社」が鎮座しています。五條市内に23社もある「御霊神社」の1社で、藤原百川(ももかわ)によって無実の罪で殺されたと云う第49代光仁天皇の皇后だった井上(いのえ)内親王と、その息子の他戸(おさべ)親王の霊を鎮めるために創建された神社ですが、地元では、昔から頭痛の神様として知られており、遠く和歌山方面からも毎月お参りに来られます。




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