伊賀上野  その13
 敢国神社(TEL 0595-23-3061)

 「芭蕉翁生家」から東へ名阪国道25の下を潜り、服部川に至ると、バス停「荒木」に石碑「荒木又衛門誕生碑」が建ち、更に北、南宮山(標高350m)の麓に、850年(嘉祥元年)従五位下に叙され、延喜式内大社、伊賀一宮「敢国(あえくに)神社」が鎮座しています。参道は街道から東へ2本延び、北側が裏参道で、大石社、神明社、子授け神、若宮八幡宮が並び、本殿の下へ至るけど、途中で脇の階段を北へ登ると、楠社や縁結びの結社も鎮座し、また、南側の表参道を進むと、芭蕉の句碑と市杵島姫社が鎮座し、本殿の下に四脚造で朱色の両部鳥居が建ち、祭神は阿閉氏(あつじ)の祖神大彦命、少彦名命、金山媛命です。
 敢国神社の「御神水井戸」

 なお、表参道の脇にある「芭蕉の句碑」は、芭蕉が1691年(元禄4年)1月に藤堂長定の屋敷に伺候した時の句「やまざとはまんざい遅し梅の花」です。また、本殿の下の石段の脇に「御神水井戸」があり、更にその後ろに注連縄を掛けた「桃太郎岩」が石の柵の中に置かれていますが、今を去ること550年前、小冨士嶽、国見山とも呼ばれる東側の「南宮山」から遷された岩で、安産および子授けの守護がある霊岩として全国各地より信仰を集め、御祈願を希望される方は、社務所へ申し出ると「岩田帯」及び「お守り」を授与されます。なお、「例大祭」は12月5日で、領内安全、五穀豊穣を祈願する獅子舞が奉納されます。
 伊賀信楽古陶館(TEL 0595-24-0271)

 「敢国神社」から西へ約4キロ、また、近鉄伊賀線「上野市駅」まで戻ると、駅の裏の大通りに面して、「伊賀信楽古陶館」があります。開館は9:00〜、1階は入館が無料で、伊賀在住の現代陶芸家の作品を展示・販売していますが、2階は入館料200円で、上野市のコレクター奥地氏が集めた伊賀焼と信楽焼の名品を展示しています。なお、奥地勇(旧姓城戸)は明治38年上野市に生まれ、京都府立医科大学を卒業して、大阪で奥地耳鼻咽喉科医院を開業した後、伊賀市に戻って開業し、昭和51年亡くなり享年71才、生前多年にわたって収集された室町時代〜江戸時代の古陶34点が三重県有形文化財に指定されています。



奈良観光表紙に戻る  伊賀上野市街図を開く  前のページに戻る   次のページに進む