生駒山周辺と信貴山まで  その6

 近鉄生駒ケーブル「梅屋敷駅」

 「往馬大社」から北へ行き、竜田川に架かる神楽橋の辺りから西へ上がると「宝山寺」への道で、また、近鉄生駒ケーブル宝山寺駅からケーブルカーに乗って上がると、梅屋敷駅、霞ケ丘駅を通って生駒山上駅に至るが、「宝山寺」からケーブルカーの線路に沿って登山路もあります。なお、生駒のケーブルは大正7年8月29日に日本初のケーブルカーとして、鳥居前駅〜宝山寺駅が運行し、昭和4年に宝山寺駅〜生駒山上駅間も開通し、今はカラフルなペイントケーブルカーが走り、生駒山上駅の直ぐ目の前が入場無料の遊園地「スカイランドいこま」、園内に「わんにゃんふれあいパーク」等があり、休日は家族連れで賑わいます。
 スカイランドいこま(TEL 0743-74-2173)

 入園は無料ですが、世界の犬と猫100種200匹勢揃いした「わんにゃんパーク」の入場料は、中学生以上の大人1200円、4才以上小学生までのこども800円。また、乗り物フリーパス大人1200円、こども800円ですが、15:30以降は半額です。営業は、3月21日〜11月25日で、冬期は休園。平日10:00〜17:00、11月4日までの土・休日10:00〜20:00までナイター営業です。生駒山山上に広がるアミューズメントパーク「スカイランドいこま」は、夏場の夜になると、宝石箱を散りばめたような河内平野の夜景が素晴らしく、デートスポットとして若いアベックがわんさか押し寄せます。
 200体近くある辻子谷(ずしだに)の石仏

 「スカイランドいこま」へ入らずに、北側へ下りて「信貴生駒スカイライン」を渡った所に「辻子谷」を経て、近鉄奈良線石切駅へ下る山道があります。少し急な坂道を下りると、役行者が開いた真言宗醍醐寺派の古刹「興法寺」があり、本尊は平安時代末期の秀作「十一面観音立像」で、境内には時雨桜(枝垂れ桜の古木)やスズランが咲き、秋の紅葉も見ごとですが、「興法寺」から更に辻子谷(音川)に沿って下ると、山路脇に2体ずつ四国八十八ケ所に因む「石仏」があり、逗子谷越の道は「打越越(うちこしご)え」とも呼ばれ、昔は生駒山の大阪側から興法寺を経て「宝山寺」へ通じる信仰の道として多いに利用されました。
 「府民の森ぬかた園地」ハイキングコース

 なお、「スカイランド生駒」の「スカイシャトル」の所からでも262段の階段を下りて、左に信貴山、法隆寺、西名阪方面へ至る「信貴生駒スカイライン」料金所を見つつスカイラインのガードレイルを跨ぐと「辻子谷ハイキングコース」の入口で、鉄の鎖につかまって急な石段を下りたら「生駒縦走歩道」ですが、ジグザグの「生駒縦走歩道」を直角に3度横切って、生駒山上から1.2キロの所から「辻子谷」を下りると、近鉄奈良線「石切」まで2.1キロです。また、「生駒縦走歩道」を更に北へ行って、「くさか園地」「ぼくらの砦」から「宮川谷コース」(あけびの路)(まつかさの路)を下っても「石切駅」へ至ります。
 生駒山中に横たわる「厄山」の石碑

 更に「生駒縦走歩道」を北へ向かうと、「府民の森くさか園地」で、生駒山の西山麓へ下る「日下大龍寺不動尊直越(じきこえ)道」。なお、30m北へ行くと、「くさかハイキングコース(あかしやの路)」があります。山腹の鉄塔へ向かって、山道を分け入り、また、鉄塔が建っている所で、左へ山道を分け入ると、途中でコース右脇に「厄山、彦五瀬命御負傷の地」と彫られた石碑が転がっています。ここら辺りが、今から2664年前、初代神武天皇東征の時、生駒越えで大和へ攻め入ろうとして、天皇の兄、五瀬命(いつせノみこと)が長髄彦(ながすねひこ)軍の矢に当たって負傷した地と伝えられています。
 「神武天皇聖跡孔舎衛坂顕彰碑」

 更に、「くさかハイキングコース」を西へ下って、三叉路をちょっと右へ行くと、また、三叉路で、右が「龍ノ口霊泉」への道、左が「神武天皇顕彰碑」で、左へ曲がって、直ぐの小さな広場に、「神武天皇聖跡孔舎衛坂顕彰碑」が建っています。「日本書紀」で、日向(宮崎県)から瀬戸内海を通り、2000年前は海辺だった生駒山の麓(現在、日下貝塚之碑あり)に達した神武天皇が戌午年4月皇軍を率いて、生駒山を越え、大和に入らんとした時に、孔舎衛坂(くさかえざか)のこの辺りで長髄彦の軍と会戦して、散々打ち負かされたと書かれ、孔舎衛とは今の大阪府東大阪市日下(くさか)で、昭和16年碑が建てられました。


生駒山上から大阪を見た夜景

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