生駒山周辺と信貴山まで  その12

 平群町梨本の石像「如意輪観音」

 「役行者御旧跡、女人山上道、元山上千光寺、右是ヨリ24丁」と、駅前に大きな石標が建つ近鉄生駒線元山上駅は、15分に1本電車があるが、櫟原橋を渡り、竜田川に沿って下流へ歩くと、次が西向橋で、渡らずに、更に下流の白いガードレールが欄干になっている橋の所まで歩き、橋を左に見て、右へ行くと、直ぐに道が左へ大きくカーブして平群町若葉台の住宅地へ上がって行きますが、その高台への上がり口の所、左側に鉄筋コンクリートのお寺があり、行法山「戒勝寺」です。また、道の右側に写真の様な祠があり、中に片膝を立てた「如意輪観音」が祀られ、ちょっと眠そうなお顔をなさっていますが立派な石造仏です。
 式内社「楢本(ならもと)神社」

 また、橋の所まで戻って、橋を渡り、右(南)側の森を目指すと「楢本神社」です。正式には、雲甘寺坐(うんかんじにいます)楢本神社と言い、江戸時代は白山権現社、明治時代には野間田明神とも呼ばれて、祭神は菊理姫命(きくりひめノみこと)、水滴に宿る神で、産土神(うぶすながみ、生命根源の神)です。元は東へ500m行った丘の上にあった雲甘寺の鎮守社でしたが、明治初年に寺が廃され、明治24年頃に現在地に遷座されました。拝殿の奥に立派な朱塗りの本殿が建ち、雷難除去に御利益があります。また、境内には延宝六年(1678年)の石灯籠や白山権現と彫った元禄十六年(1703)の手水石もあります。
 式内社「紀氏神社」

 「楢本神社」から東へ行き、国道168号線を渡って、更に近鉄生駒線(この辺り単線)の踏切を渡り、次の三叉路にある平群町リサイクル館で左(北)側の道を通って、そのまま真っ直ぐ進むと、左の森の中に「紀氏神社」があります。「延喜式」神名帳に「平群坐紀氏神社、名神大。月次新嘗」と記載され、近世に「辻の宮」「椿ノ宮」とも呼ばれ、祭神は天照大神、天児屋根命、都久宿禰、八幡大菩薩。なお、当神社は平群に居住した紀氏の名を取って名付けられ、本殿は銅板葺で春日造。なお、境内に座小屋があり、また、延宝七年(1679年)の石灯籠もあり、境内社春日神社の鳥居は元禄十五年(1702年)の寄進です。




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