磐余(いわれ)の道と多武峯街道  その5

 県史跡「談山神社多武峯町石」

 「談山神社」の「一ノ鳥居」から「多武峯街道」を南へ進んで「摩尼輪塔」までの約5キロの間、初夏にノウゼンカズラが咲く参道の所々に高さ約1.5m、幅33cmの板碑形「町石」が52基建っています。江戸時代初期、1654年(承応3年)10月16日法眼が施主となって造立した「町石」で、それぞれの「町石」は因位(まよい)から仏界(さとり)に至る仏道修行を表し、十信、十住、十行、十回向までは凡夫、十地は聖者の菩薩行、等覚(仏に等しい悟り)、妙覚(迷い滅尽した仏界)とに分けられております。なお、「多武峯街道」は「寺川」に沿って進み、ここから真っ直ぐ南へ約800m行くと「聖林寺」です。
 八坂神社南西「カブト塚古墳」

 また、「多武峯街道」からちょっと外れ、談山神社の「一ノ鳥居」の前から東へ行くと、県道37号桜井吉野線のバス通りです。桜井駅から「談山神社行」のバスが止まるバス停「浅古」の直ぐ西横、こんもりとした森の中に「八坂神社」があります。鳥居をくぐり石段を上がると、本殿に向かって右側の狛犬は左足で毬を押さえていますけど、左側の狛犬は母子なのか、小さな狛犬が大きな狛犬の右足にじゃれついてます。なお、境内から下りず、そのまま南へ出て、アパートの横を通り、ちょっと行くと「カブト塚古墳」です。塚へ登ると、石棺がむき出しになっていて、ここから西に「メスリ山古墳」なども見え、景色が最高です。
 等弥神社(TEL 0744-42-3377)

 また、バス通りを少しバックして、バス停を2つ北へ行くと、バス停「神之森町」で、道路の東側になだらかな山容の鳥見山(標高245m)が広がり、その西麓の能登山に「等弥(とみ)神社(能登宮)」が鎮座し、入口は狭いが境内は広く、150余基の石燈籠が竝立する参道を進むと、境内社に、弓張、恵比須、黒龍、金比羅、稲荷、猿田彦、愛宕の7社と、桜井市の護国神社があり、参道を上がった「上社」に天照皇大神が祀られ、裏参道を下ると「下社」に春日大神と八幡大神が祀られています。また、「鳥見山」への道が上社から続き、山頂は神武天皇が霊畤(まつりのには)を立てゝ天つ神を祀り大孝を延べた伝承地です。




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