葛城山および葛城古道  その8

 御所市関屋の「葛木水分神社」

 「名柄遺跡」から更に西へ向かい、葛城川の支流の水越川に沿って登ると、国道309号線に合流して、「水越峠」へと向かいますが、途中で車道を外れて旧道を通ると「葛木水分(かつらきみくまり)神社」が在ります。大和には、古くから吉野、宇陀(うだ)、都祁(つげ)、葛木にそれぞれ水分(みくまり)社が在って、当社はその4社の内の1つです。本殿は春日造で、祭神は、古事記によると、伊耶那岐命(いざなぎノみこと)と伊耶那美命(いざなみノみこと)が淤能碁呂嶋(おのごろしま)で目合(まぐわい)をして31、32番目に産んだ天水分神(あめノみくまりノかみ)と、国水分神(くにノみくまりノかみ)です。
 国道309号線の「水越峠」

 田畑の灌漑を司る水に因んだ農業に縁のある神様を祀る「葛木水分神社」は、平安時代の859年{貞観(じょうがん)元年}正月27日正五位下に叙せられています。また「葛木水分神社」から写真の様にくねくねと曲がった国道309号線登ると「水越峠」ですが、御所から大阪府富田林へ抜ける国道309号線はもう1本在って、「水越峠」の下を掘り抜かれている関屋トンネル(長さ202m)を通る道も在ります。なお、写真の左側が「金剛山」、右側が「葛城山」で「水越峠」の頂上から、それぞれ左右に分かれて登る事が出来る登山道の「ダイヤモンドトレール」が整備されていますが、ちょっと急な山道でしんどいです。
 「水越峠」の「祈りの滝」

 国道309号線は、「水越峠」までかなり急な坂道ですが舗装されていて、登りながらヘアーピンで目の下に広がる奈良盆地の南部を見渡すと、疲れも取れて爽快な気分が味わえます。また、峠の頂上に近付くにつれ傾斜がやや緩やかになり、頂上の少し手前の所に写真の様な祠が建ち、その奧に小さな「祈りの滝」が在ります。昔、役行者が麓の御所市茅原(ちはら)の吉詳草寺(きっしょうそうじ)から「葛城山」へ毎日登って行をしていましたが、ここは修験道の霊場で、峠を越える旅人がここを通る時にお祈りした滝です。なお、ここら辺りには何にも無く、国道309号線の奈良県側は「葛木水分神社」の少し下の辺りで民家も途絶え、定期バスも麓の「名柄」から上へ上がっては来ませんが、大阪側は、日曜と祝日にのみ金剛バスが「水越峠」の頂上まで上がって来ます。でも、本数が少なく、「水越峠」からバスで下りられる方は、発車時刻に呉々もご注意下さい。「金剛バス」へ時刻等の問い合せは、TEL:0721-23-2286 です。




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