大峯山の麓、天川村、洞川  その5

 県天然「五代松(ごよまつ)鍾乳洞」

 山上川の対岸に渡って、少し山へ登ると、昭和8年11月に発見された鍾乳洞があり、第2洞と云われ、第1洞は山上川の川端にあって、昭和4年頃探洞し、昭和7年に一般の人の入洞をこう時に、探洞者の赤井五代松氏の名をとって「五代松鍾乳洞」とされましたが、濠々たる地下水の湧出、延長約2000m以上の奥行きを有するものと推定されている鍾乳洞を掘るにあたり、赤井一族が10余年の歳月と私財を投入して探洞されたもので、他に第3洞もありますが、目下のところ入洞できません。なお、この辺りはカルスト地形で、水に溶けやすい石灰岩の岩層が永い年月の間に空洞となり、ここの水をゴロゴロ水と呼んでいます。
 名水百選「ごろごろ水」

 「五代松鍾乳洞」前の山道を東へ辿ると、稲村登山コースですが、下の舗装道路へ下りて、山上川沿いに東へ行くと、環境庁の名水百選に選ばれた洞川湧水群の1つ「ごろごろ水」です。ここは、村の入口である表鬼門にあたり、洞川の里では昔から鬼門に守護神を祀って疫病や悪人が村へ入るのを防ぎました。なお、こんこんと尽きることの無い「ごろごろ水」は、この奧にある洞穴から湧出していますが、清水は石灰質の地層で磨かれた水で、古来から万病に効くといわれ、村ではこの水を神聖化し、「神の水」として保全し、毎年4月に「名水まつり」を開催しています。なお、洞川湧水群は、川向こうの「神泉洞」にもあります。
 役行者の母を祀る「母公堂(ははこうどう)」

 「ごろごろ水」から更に舗装道路を東へ上がると、「母公堂」があり、ここは大峯山の入口にある堂で、その昔、役業者が訪ねてきた母にここで会いました。本尊は、役行者の母親、白専女(しらたらめ)です。なお、「近畿の屋根」「大和アルプス」とも呼ばれる吉野熊野国立公園の山岳には、山上ケ岳、近畿最高峰の八剣山(標高1915m、八剣ケ岳、仏経ケ岳)、弥山(みせん)、行者還(ぎょうじゃがえり)、大普賢(だいふげん)、稲村(いなむら)、釈迦(しゃか)、仏生ケ岳(ぶしょうがだけ)等の雄峰が連なり、その中心「大峯山寺」がある山上ケ岳までここから4時間かかりますが、残念ながら山上ケ岳は女人禁制です。




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