漆部(ぬるべ)の郷「曽爾村」  その10

 赤目街道(ハイキング道)

 「延寿寺」から土産物屋が立ち並ぶ通りを下って、県道567号線を北へ向い、県道から左に折れて赤目橋を渡り、車道から右へ入ると、「赤目街道」です。明治36年対岸に県道赤目線が開通する迄の本道で、延寿寺の最盛期、鎌倉時代には修験者の行者道でもあり、また、伊賀の乱の時は、延寿寺を攻めた織田軍の侵攻道で、道脇の地蔵尊を刻んだ磨崖仏(赤目地蔵)は、室町末期の作とされ、江戸時代には初瀬街道から分岐して長坂黄竜橋まで開通し、その沿線の辻々に道標が建てられたが、県道開通後、荒廃して利用する人もいなかったけど、昭和40年頃、赤目のハイキング道に改修され、シーズンにはハイカーで賑わいます。
 長坂(ながさか)の「天満神社」

 一級河川「滝川」に沿って下ると、道沿いに赤目地蔵、日の谷地蔵が立ち、紅葉の林を抜けて、ちょっと左へ迂回すると、長坂の集落の高台に「天満神社」が鎮座し、本殿の脇から年中絶えることなく清水が湧き出しています。高台の下は梅林で、石段を下りると、また、赤目のハイキングコースで、北へ向うと、古民家結(ゆ)&茶房ギャラリーの横に船形光背の地蔵石仏が立っていて、橋の袂で県道567号線と合流し、しばらく北へ進んで、また、県道と分かれて左の赤目街道へ入り、更に北へ向うと、道脇に「道観塚」と「森岡鉄蔵翁の顕彰碑」が建っていて、霊園の側を通って、「前池」を過ぎると、「極楽寺」に至ります。
 極楽寺(TEL 0595-63-9138)

 真言宗豊山派西境山「極楽寺」は、名張市指定無形文化財(民族)「極楽寺松明(たいまつ)調進行事」で知られ、東大寺二月堂のお水取りで使用される松明を、毎年2月11日松明山から伐り出される桧の原木を使い、当寺で故習によって調整し、3月10日調進法要を行い、「道観塚」で調進祈願と供養を営んで、3月12日東大寺へ搬納されます。なお、行事は、昔当地に住んでいた道観長者が私有の田地を東大寺へ寄進し「その作得を以って松明を作り、毎年二月堂修二会にそれを献上せよ」と遺言した事に起因し、以来一ノ井地区調進講の人達によって七百年来絶える事なく続いています。また、北へ向うと、近鉄赤目口駅です。




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