奈良市の東端「田原」「水間」から「山添村」  その4

 山添村指定史跡「天神社遷幸の地」

 「牛ケ峯岩屋桝型岩」から山を下りて、また湖畔に沿って南へ1キロばかり進むと、道の湖岸側に石碑が建っていて、数体の石仏が積まれています。これらは布目ダムの建設によつて水没した山添村大字北野小字ウチカタビロの水田の中にあった塚2m×2.5m、高さ70cmに祀られていました。また、そこは北野天神社の祭礼旧五社巡りのとき、御幣を収め奉田楽を奏し、神拝される場所でもありましたが、ダムの底に沈むことになったため、昔からの伝統行事を守るべくこの地に石仏を移転し保存されている所です。なお、移転前の場所は、この地より北北西200mの湖底ですが、そこは縄文時代早期の集落跡でもありました。
 布目湖の「副ダム」

 「布目湖」の中央地点より更に1キロばかり上流に「副ダム」があります。本ダムへ流入する土砂を防ぐために設けられたダムで、堤頂長133.3mです。なお、これより上流で、4月〜9月マリンスポーツが出来、山添村B&G海洋センターのインストラクターの指導により、ヨット、ボート、カヌー等が楽しめます。また、「布目ダム」の辺りに「多目的広場」、「ダム右岸広場」があり、そして、布目湖の周りには「牛ケ峯コスモス公園」、「腰越ふれあい広場」や、「大橋ほのぼの公園」、「桐山さざなみ広場」などもあり、「布目湖」や「名張川」では、シーズンが到来すると、マス釣り、鮎釣りを楽しむことが出来ます。
 県指定名勝「神野山(こうのやま)」の山頂

 「布目湖」を一周して、また、バス停「大橋」から東へ向かうと、「布目川」「深川」を渡って、バス停「北野小前」「北野口」の次が「神野山登山口」で、バスを降り東へ少し行き、直ぐ右(南)へ曲がって、山道を登って行くと、左に「沢谷池」があり、茶畑を過ぎた辺りから地道になって、少し急な登りになり、雑木林や桧林を過ぎて左(東)へ曲がり、ツツジと松並木の中を真っ直ぐ進み、木の階段を登って行くと、所々に紫陽花(アジサイ)が植わり、鉄塔を左に見て細い道を行くと「神野山(標高619m)」の展望台山頂に至ります。県立月ヶ瀬神野山自然公園にも指定され、山頂からは360度のパノラマが広がります。
 「神野山」展望台から北を望む。

 なだらかな傾斜を見せる「神野山」は、5月上旬に8000株のツツジが咲き、緑と紅の綾が山を彩り、北に「月ヶ瀬」、北東に「伊賀上野」、そして、南に大和富士「額井岳」、南西に「金剛山」「葛城山」の山々も眺望されます。なお、神野山は今でこそ芝生に包まれた緑とツツジの花が咲く景勝地ですが、昔は、荒々しい岩むき出しの禿げ山に女衆の烏天狗が住んでいました。ある時、伊賀の青葉山に住む男衆の烏天狗と喧嘩になり、青葉山から大石とともに芝生や草木が投げられて、神野山の烏天狗は、わざと負けたふりをして傍観していると、あれほど美しかった青葉山は丸裸になり、神野山は反対に今の様な山に成りました。




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