「香芝市」から 「王寺町」辺り  その3

 「狐井(きつい)城山古墳」

 「阿日寺」から旧道を北へ200mも行くと、香芝市内で最大規模を誇る前方後円墳「狐井城山古墳」があります。墳丘長約140m、前方部幅約110m、後円部径約90m、濠と外堤が周囲を巡っています。築造時期は、須恵質埴輪を含む出土埴輪や墳丘の形態から5世紀末〜6世紀前半頃と推定され、付近で発見された「刳抜(くりぬき)式の長持形石棺」と、ここから約600m南方の「阿弥陀橋」にある「組合式の長持形石棺」の「蓋石(ふたいし)」等は、本来この古墳の物と考えられています。なお、北葛城郡内でも大型の古墳に属し、その地理的位置から古代葛城氏に関する者の墓と云われ、中世は、岡氏の城塞でした。
 鹿島神社(TEL 0745-78-7535)

 「狐井城山古墳」から更に北へ行くと、近鉄大阪線とJR和歌山線が交叉し、近鉄下田駅とJR香芝駅に夾まれ、国道168線沿いに「鹿島神社」が鎮座し、当社の宮座(結鎮座)の座衆経営録(県文化)によると、平治の乱で源義朝らと供に殺害された鎌田兵衛政清の子、政光が常陸国の鹿島大明神を1172年(承安2年)に勧請したのが始まりと伝えられているが、「大乗院雑事記」では、1150年頃(久安年間)に「鹿島社領」の記載があり、創建はもう少し早いと考えられ、「延喜式」に記されている「深溝神社」に当てる説もあります。なお、香芝市の下田は、昔も交通の要衝で、「鹿島神社」の門前町として栄えました。
 二上山博物館(TEL 0745-77-1700)

 「鹿島神社」から「国道165号」を西へ向うと、近鉄大阪線の踏切を渡って直ぐ、国道の右側に「香芝市ふたかみ文化センター」があって、1階が「二上山博物館」です。拝観料が200円で、開館9:00〜17:00(入館は16:30迄)、毎週月曜(月曜が祝日なら翌日)と年末年始が休館です。なお、館内では万葉集で”ふたかみやま”と詠われ、その雄姿が古代人に感銘を与え、神秘の山と崇められてきた「二上山(にじょうざん)」が今から千数百万年前に火山として盛んに噴火活動で生み出した「3つの岩石」、サヌカイト、凝灰岩、金剛砂(ざくろ石)を展示し、それらの石が時代に果たした役割を説明しています。




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