大滝の郷「川上村」  その5

 大迫(おおさこ)ダム

 バス停「不動窟」から、また「国道169号線」を「吉野川」沿いに南へ上って行くと、やがて左手に、「大迫ダム」が見えて来ます。「大迫ダム」は、津風呂ダムと同様に十津川、紀の川(吉野川)総合開発の一環として、昭和48年吉野川に建設された多目的のドーム型アーチ式コンクリートダムで、農業用水や県営水道用水の供給の他、発電もやっています。なお、流域面積は114.8キロ平方メートル、ダムの堤高70.50メートル、堤頂長222.30メートル、最大取水量は、大和平野の灌漑用が「津風呂ダム」と合わせて1秒間に9.91立方メートル、県営水道へ1秒間に1.07立方メートル(約1トン程)です。
 山鳩湯(TEL 0746-54-0262)

 「大迫ダム」を渡って、「大迫貯水池」沿いに南へ行くと、入之波(しおのは)温泉で、江戸時代から湯治場として知られ、五色湯(TEL 0746-54-0777)と、山鳩湯があり、趣もお湯も異なる二つの温泉施設は、五色湯が洗練されたリゾートホテル式の公営の宿で、澄んだ単純泉です。また、山鳩湯は、神経痛に良く効く含炭酸重曹泉が毎分500リットルも湧き出る源泉かけ流しの秘湯で、時間が経つと淡黄褐色に変る全国でも珍しいお湯は、強力な美肌効果もあり、湯船周りをカルシウムが縁取って温泉情緒たっぷり、共に日帰り入浴可ですが、泊まりで朝の露天風呂を楽しみ、周辺の大自然の素晴らしさを堪能するのがお薦めです。
 屏風(びょうぶ)滝

 バス停の終点「入之波(しおのは)温泉」から「大泊(おおさこ)貯水池」の「入之波大橋」を渡って、左(東)へ向い、貯水池の端の三叉路を「北股川」に沿って左(北)へ向うと、川上村神之谷で、「トガサワラ原始林」や、「三之公川」を遡って「明神滝」へ至りますが、貯水池の端の三叉路をそのまま右へ突き進んで「本沢川」沿いに進むと、源を大台ケ原にとり「黒石谷」から支流が流れ込む所を過ぎると「筏場」で、ここまでは車で行けるが、そこから先は歩いて、右手に大台ケ原への登山道(現在落橋のため通行止)の看板を見て真っ直ぐ進むと、やがて屏風滝が見え、岩の間を糸を引くように流れ落ち、小ぶりですが、落差約8mで、水量は豊富で滝壷も広い滝です。なお、この辺りの渓谷の美しさは、例えようもなく、清流と大小の岩が織り成す風景、更に渓流に架けられた小さな橋を渡るスリル、時間を忘れて歩ける道が続いて、また、江戸時代の湯治場「五色湯跡」の辺りからは、硫黄の匂いが漂い、湯元があったことを伺わせます。
 伯母峰(おぼみね)峠ループ橋

 また、「大迫ダム」まで戻って、ダムへ流れ込む伯母谷川沿いに東熊野街道(R169)を登ると、平成16年1月17日開通した伯母谷路(川上村伯母谷〜山本茶屋、総延長5286m)に至ります。以前は道幅が狭く、急勾配、急カーブの連続で、車がすれ違うのに難渋していたが、昭和54年道路改良工事に着手し、道路をループ状にして、5つのトンネルと4つの橋梁とで結び、峰越えを20分短縮しました。なお、伯母峰には一本足で一つ目の妖怪「一本ダタラ」、又の名を猪笹(いのささ)王が丹誠(たんせい)上人によって封じ込められ、12月20日だけ封印が解け、「果ての二十日は、峠を通るな」と云われています。
注1:山鳩湯の写真の上にマウスを乗せると、露天風呂写真が現れます。
注2:屏風滝の写真の上にマウスを乗せると、本沢川の写真が現れます。
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