伊勢本街道「御杖村」  その5
 七不思議、其の六「金壺石」

 「弘法の井戸」から「伊勢街道」を更に東へ行き、直ぐ「伊勢本街道」から外れて左へ、バス停「敷津」の方へ向かう道があり、左へ曲がって直ぐ、田圃(たんぼ)を挟んで山際に大きな「金壺石」があります。この石の上で、毎年正月元旦の早朝に金の鶏が鳴く、と云われていますが、近頃では村人の誰も金の鶏など見た者はないそうです。なお、鶏が伝説の主に祭られているのは、鶏が早朝に鳴き、「縁起の良い動物」と考えられたからですが、また、金の鶏が詰まっている石なら、是非、割って見たいと云う人がいるかも知れませんが、石には呪いが掛けられていると思うので、不幸になるといけないから無闇に割らないで下さい。
 隠れた桜の名所「丸山公園」

 「金壺石」からまた「伊勢本街道」へ戻って、更に舗装道路を東へ行くと、御杖村神末「敷津の集落」の東の外(はず)れで、左側にトイレと水道、野っ原に30台の駐車場があり、右側に古墳の様にこんもりとした丘があって、樹齢100年の「山桜」約50本が植わっている「丸山公園」です。春、4月中旬〜下旬頃に掛けて一斉に桜が開花すると、小高い丘の全体が可憐な色に染まります。なお、ちょっと急斜面の丘を這うようにして登っても、木々が邪魔をして余り見晴らしは良くありません。頂上には、石の台座を三段に積み、その上に仙人の様な山神さまが座っています。
 七不思議、其の七「姫石明神」

 「丸山公園」から東へは、車が入れない「伊勢本街道」で、ちょっと薄暗い石ころごろごろの山道を登った頂上が「岩坂峠」で、そこからりっぱな石段を降りた左側に木の小さな鳥居が建ち、高さ七寸、幅二寸の大きな岩が祀られ、鎮座しています。まるで、婦人が俯(うつむ)きになってお尻を突き出した様な岩で、ご丁寧に毛氈苔(もうせんごけ)の下に穴まであり、赤い水も垂れている「姫石明神」です。その昔、倭姫命が祈られた「姫石」の陰石で、ご婦人の下の病気や子宝もうけ、その他、縁結び等にご利益があります。なお、写真の岩の上方にも大きな岩(陽石)が斜面にころがっていて、根元には雑木が生い茂っています。




奈良観光表紙に戻る   御杖村散策図を開く  前のページに戻る   次のページに進む