漆部(ぬるべ)の郷「曽爾村」  その1

 青蓮寺(しょうれんじ)ダム

 近鉄「名張駅」西口から三重交通バスで「曽爾村」へ行くには、毎日昼間は2時間に1本だけ運行される「山粕(やまかす)」行と4月1日〜11月30日に1日2本運行の「曽爾高原」行があり、「名張川」に沿って「県道81号名張曽爾線」を進むと、山間部に入って、右手前方に「青蓮寺ダム」が見えて来ます。淀川水系「青蓮寺川」に造られた堤高82mアーチ式コンクリートダムで、堤頂長275m上を車が走り、堤体積17.5万立方メートル、昭和39年11月〜昭和45年3月の工期で、総事業費74億6千万円、事業主は水資源開発公団、施工者は飛島建設(株)、洪水調節、灌漑、水道用水、発電の4つが目的です。
 湖辺で合歓の花が咲く「青蓮寺湖」

 「青蓮寺ダム」によって「青蓮寺川(曽爾川)」を堰き止められて出来た「青蓮寺湖」は、満水面の標高が282mで、面積104平方キロメートル、総貯水量2720万トンです。ダムの灌漑は、不特定灌漑が名張地区と木津川沿岸で、特定灌漑が名張上野地区。また、水道用水として名張地区と阪神地区に配水されています。なお、「青蓮寺ダム周辺環境整備事業」によって、全体利用計画がなされ、Aバノラマゾーン、Bバード・サンクチュチリー、CD野外活動ゾーン、EFバード・サンクチュアリーの6ゾーンが湖周辺にあり、また、「青蓮寺湖」には全部で3つのアーチ橋「弁天橋」「青蓮寺橋」「香落橋」が架かってます。
 香落渓(こおちだに)

 「青蓮寺ダム」を右に見て、湖畔を左へ巡ると赤いアーチ橋「弁天橋」が眼前に見えて来ます。曽爾村へ行くには、「弁天橋」を渡って、湖畔の東側を通り、「青蓮寺湖」を過ぎると、いよいよ道幅が狭くなり、バス停「香落橋」から「紅葉谷」「落合」まで、「青蓮寺川」沿いの渓谷が「香落渓」です。渓谷の両岸にあたかも斧でスパッと割ったような柱状節理(ちゅうじょうせつり)の岸壁が続き、「屏風岩」「鹿落岩」「天狗柱岩」は圧巻で、バス停「紅葉谷」の辺りは、紅葉がきれいです。また、奈良県宇陀郡曽爾(そに)村へ入り、バス停「落合」からバス停「長野」までの「青蓮寺川(曽爾川)」沿いが、「奧香落渓」です。
 「屏風岩(びょうぶいわ)」

 「室生赤目青山国定公園」内の「香落渓」は、室生火山群が造り上げた奇勝で、雄大な柱状節理(ちゅうじょうせつり)の大岸壁が延々と続きますが、バス停「香落橋」を過ぎたら直ぐ「香落渓トンネル」です。トンネルを抜けると、次々に「行者不動滝」、「羅漢(らかん)岩」、「天狗覗岩」、「天摩嶺」、「百間滑淵(ひゃっけんなめらぶち)」、「鬼面岩(きめんいわ)」、「夫婦(めおと)滝」などが現れ、「河鹿(かじか)橋」を渡ると、対岸に「屏風岩」が見えて来ます。写真の様にまさに柱状節理の「屏風の岸壁」で、自然の造形ながら整然と造り出された様は、人の手によって造り出された様に思われる見事な物です。
 紅葉谷(もみじだに)

 「屏風岩」を過ぎると、間もなくバス停「紅葉谷」で、乗用車10台だけ収容出来る駐車場があります。しかし、「香落渓園地」では、ここより他に駐車場がなく、「青蓮寺川」沿いの県道81号名張曽爾線は、道幅も狭く、「香落橋」〜「紅葉谷」が約3.9キロで、更に南へ行って、「紅葉谷」〜バス停「落合」が約2キロ、「落合」〜「小太郎岩」が約1キロあり、ほとんど駐車が出来ないので、紅葉のシーズンに車で行かれても、ゆっくり紅葉狩り及び柱状節理の奇岩と「青蓮寺川」の清流を観賞する事が出来ません。なお「香落渓」の紅葉は、楓やブナなど木々が多く、赤、黄、緑と色とりどり、見頃は11月上旬〜中旬です。




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