柿と梅の里西吉野  その4

 「丹生川」沿いの「西吉野第一発電所」

 また、バス専用路(幻の五新鉄道)を南へ行って、丹生(にゅう)川と国道168号線を跨(また)ぎ、照明のない真っ暗なトンネルを抜けると、バス停「衣笠」で、更に南へ行ってトンネルを抜けると、右側に蛇行した丹生川の対岸に「西吉野第一発電所」の銀色の導水管が山の斜面をほぼ垂直に下り、発電所から白い泡(あぶく)が活きよい良く吐き出されています。次のバス停「黒渕」からバス専用路を降りて、民家の前を通り北へ戻り、バス専用路の下をくぐって、普賢橋を渡り、右へ行くと、電源開発株式会社の「西吉野第一発電所」ですが、所内は関係者以外立入禁止で、見学できず、門横に24人の慰霊碑が建っています。
 「常覚寺(じょうかくじ)、ふげんさん」

 「西吉野第一発電所」から南へ戻り、「普賢橋」を渡らず、そのまま真っ直ぐ行って右に曲がり、旧国道へ上がると、高野山真言宗、延命山「常覚寺」があります。通常「普賢(ふげん)さん」と呼び親しまれている寺院で、空海の開基と云われ、本尊は、810年(弘仁元年)空海作と伝える国重文の「木造延命普賢菩薩坐像」、像高94cm、藤原時代の秘仏ですが、毎年正月8日開扉され、脇壇に並んで安置される藤原様式をもつ国重文の「釈迦如来立像」は、近くの黒渕にあった「崇福寺」から移された仏と伝えられ、他に「地蔵菩薩立像」があり、境内の五輪塔三基は後醍醐天皇、新待賢門院、大塔宮の供養塔と伝えられます。

 ひなびた「西吉野温泉郷」

 奈良交通バス専用道(幻の五新鉄道)五條坂本線の次のバス停が「城戸(じょうど)」ですが、「幻の五新鉄道」はそのまま真っ直ぐ延びて丹生川へ流れ込む「もみじ川」を渡り直ぐトンネルが見えているけど、専用道を来たバスは「もみじ川」を渡ると、左に折れて、「もみじ川」沿いに西吉野温泉口へ向かいます。なお、城戸には、五條市西吉野支所があり、五條市街から国道168号線を十津川方面行のバスで長い西吉野トンネルを通って来ることも出来、また、城戸地区の「西吉野温泉郷」にある湧出天然温泉「にしよしの荘(TEL 07473-3-0225、0116)」とセミナーハウスの「きすみ館(TEL 07473-3-0194)」は共に市営です。
 県の天然記念物「福寿草群落」

 「もみじ川」沿いに県道20号下市宗桧線を北東へ向って、バス停「川岸」から「檜川」沿いに東へ行くと、五條市西吉野町津越、檜川迫地区に立春の2月下旬〜3月中旬頃、「福寿草」が弱々しい陽射にひっそりと開き、光の方へ微笑みを向けます。なお、「福寿草群落」は昭和47年の現地調査で、国内に類を見ない大群落であることがわかり、翌年、県の天然記念物に指定され、目出度い花と云うことで「福寿草」と名付けられた黄金の花は、旧暦の新年初めに咲き、今や自生のものは数が少なく、一度失われた自然は、それを取り戻す事が出来ないので、とるのは写真だけにして、根元を踏まない様にそっと見守りたいものです。




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