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真葛が原の「阿太峯神社」
「御霊神社」から更に少し急な坂道を北へ上がると「近畿自然歩道」で、梨畑越しに遠く南を見ると吉野の山々が望遠されて、道が左へ大きくカーブしてから木立の中を進むと、右手に「一石一字塔」と彫られた石碑が建つ「法華経塚」があり、お地蔵さんも祀られています。「近畿自然歩道」の道標に従って進むと、やがて左手に小さな社の「阿太峯神社」が境内の奧に鎮座して、また、鳥居に向かって境内の左隣に立派な「大阿太の万葉歌(秋の雑歌)碑」が建っています。
真葛原 靡(なび)く秋風吹くごとに
阿太の大野の萩の花散る 巻10−2096 |
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古い物なら何でもありの「今昔の里」
大国主命、少彦名命、石清水八幡の3柱を合祀した「阿太峯神社」を後にして、更に東へ行くと三叉路を左へ曲がったちょっと奧に「今昔の里」があります。見学無料で、広い苑内には、「吉野杉ログハウス」、昔を偲ぶ「道具館」、縄文時代の「竪穴住居」が復元され、3階建ての「遠見台」に登ると、金剛、葛城の山々が一望で、「風呂と臼(うす)の資料館」には、ビール樽の風呂、栂(とが)風呂、槇(まき)風呂、五右衛門風呂、臍(へそ)風呂、殿と奥方用が別れた大名風呂、そして、臼は、石臼、木臼などがあって、また、ここが江戸時代、五條代官の天領と高取藩の境界で「之北高取領」と彫った境界石が残っています。 |
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大阿太高原から見た「金剛山」「葛城山」
五條市大野新田町「今昔の里」辺りは、近鉄吉野線「福神駅」より南西に約1.5キロ上がった高原で、かっては、ここに第二大和航空隊基地(通称、阿太峯飛行場)があり、長さ600m、幅60mの滑走路を250キロ爆弾を搭載した神風特別攻撃隊千早隊機の93式中間練習機(通称、赤とんぼ)が滑走し、南の空へ飛んで行きました。しかし、今は滑走路も農道に変わり、飛行場跡地に工場や牛舎が建ち、昔の面影をほとんど残しておりません。また、「大阿太高原」は明治後期から代表的な「梨」の産地で、秋になると、最寄りの近鉄「福神」「大阿太」の両駅が「なし狩り号」の指定駅になり、なし狩りツアーで賑わいます。 |