「大塔町」から平家落人の里「野迫川村」と「高野山」  その3

 立里荒(たてりこう)神社への参道

 県道53号高野天川線を更に西へ進むと、五條から大塔町を通って来るバスは、1日1便の奈良交通で、1時間40分かかりバス停「野川上村」が終点です。その道を更に進むと、今度は1日2便、高野山駅から1時間30分かけて来る「南海りんかんバス」の道路と合流し、バス停「荒神口」を過ぎて左へ上がると、「立里荒神社」へ至ります。なお、この辺りは白樺林で、雲海景勝地、1月〜2月は、樹氷も見頃ですが、残念ながら冬期は、積雪が多くてバスが運休します。また、奈良県の最西端に位置し、高野山の南にあたる「野迫川村」は、平均標高が700m、年間平均気温9.2度で、夏でもクーラーの要らない寒冷地です。
 日本三大荒神の1つ「荒(こう)神社」

 長い石段を上がり切った所に鎮座する「荒神社」は816年(弘仁7年)空海が高野山を開山の際、悪魔降伏、護法利民のために建立された神社で、その後、衰えたが、1693年(元禄6年)高野山萱堂成就院の僧宥性が大師の夢のお告げで再興し、祭神は火産霊(ほむすび)命、三宝荒神とも言われ火伏せの神で、伝空海作の三宝荒神版木を所蔵し、悪疫流行、水難火難に霊験あらたかです。なお、荒神岳(標高1260m)からの眺望が良く、雲海から昇る日の出は絶景です。なお、宿泊希望の方は参道入口の参籠所(TEL 07473−7−2417)へ申込むと、一泊二食付き5000円。但し、冬季は暖房費が500円増です。
 野迫川村「白樺園地」の白樺の木

 「立里荒神社(たてりこうじんじゃ)」の参道口の脇を通って、更に「南海りんかんバス」が進む東の奥へ向かうと、バスの終点に「雲之上温泉:ホテル開雲荘(TEL07473-8-2721)」があり、車で白樺林を縫って進むと、北海道か信州の蓼科にでも迷い込んだ様な気分になり、春は白樺の花が葉に先だって尾状の穂を出し、雄花穂は黄褐色で垂れ下がり、雌花穂は紅緑色で上向きに出て、また、果穂は円柱形で長さ3〜7cmになり垂れ下がります。材は建築、装飾、細工物、爪楊枝、木型、版木、薪用に用いられ、樹皮は白色で紙状にはげ安く、タバコ入れ、小刀の鞘、細工物の外張り、なめし皮用タンニン、白樺油、染料に用います。
 近畿大学奧高野「研究保護林」辺り

 「荒神岳」から3キロばかり下山して、バス道路を南へ500m行くと、バス停「役場前」が終点です。なお、先は村営バスしかありません。でも平家落人の里「平(たいら)」までは、まだ7キロあり、途中に北股の集落もありますが、ほとんどが人跡未踏の様な山塊の深い深い谷間を山肌にへばり付く様にして狭い舗装道路が走り、大きくカーブした所に「近畿大学奧高野、研究保護林、薬用植物林入口」と書かれた白い大きな標柱が建っていて、そこから更に進むと、細い「北股川」を堰き止めて、小さな関西電力の発電所が谷の底の方にあります。更に南へ進むと「北股川」が「川原樋川」に合流する辺りで、平地区へ至ります。




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