大滝の郷「川上村」  その3

 井光(いかり)神社

 また、日本三大美林と水源地のある川上村で、大自然が広がる中を南北に通る国道169号線(東熊野街道)を吉野川沿いに南へ向い、バス停「武光橋」から「武光橋」を渡って、「吉野川」の対岸を右(東)へ進み「井光川」に沿って上がると、井氷鹿(いひか)の里「もりもり館」へ至ります。そこから左(北)へ500m上がった集落の中に「井光神社」が鎮座し、祭神は、国津神の井氷鹿(古事記では井光)で、彼は神武天皇が八咫烏の案内で熊野から大台山を通って、この辺りへ来た時、「古皇(ふるつこ)」「血ノ池」「布穴(ぬのあな)」等と呼ばれる光り輝く奧ノ宮の井戸の様な大きな窪みから出現した尾のある神です。
 岩戸(いわと)の滝

 「井光神社」からまたアマゴの養魚場がある井氷鹿(いひか)の里「もりもり館」「井光養魚場」まで下りて、更に山道を「井光川」沿いに東へ上がって行く道は、「御船(みふね)の滝」への道ですが、途中に林道から直ぐ右(南)側に見える所に「岩戸の滝」があります。落差は10m足らずで、そんなに大きな滝ではありませんけど、優美と云う言葉がぴったりの滝です。なお、この辺りは、吉野郡川上村のほぼ中央に位置する井光地区で、近くにギフチョウの飼育場等があり、「岩戸の滝」「御船の滝」もあって、古事記の神話を探訪しながら、更にその上に自然を満喫できる約7キロのハイキングコー スが整備されています。
 「井氷鹿(いひか)の井戸」

 「井光川」沿いの道から北側へ150m上がると、皇祖(神武天皇)巡幸の聖蹟「井氷鹿の井戸」があり薄暗い杉木立の中の窪地が「井光(いひか)神社」に祀られている井氷鹿(いひか)が姿を現した所で、窪地の前に石碑が建っています。なお、井氷鹿は、神武天皇を案内して、土地神谷(とちかみだに)を過ぎて休石(やすみいし)に腰をかけた後、御船山(みふねやま)の尾根にある拝殿で波々迦(ははか)の木を燃やし鹿の骨をもって卦(け)を立てて占い、御船の滝巖上に宮柱を立て天乃羽羽矢(あまのははや、天から授かった矢)を納め、進軍の勝利を祈願しましたが、今でも8月24日天の羽羽矢納めの儀式があります。
 御船(みふね)の滝

 また、「井氷鹿の井戸」から更に山を登ると、聖蹟「奧ノ宮」があり、そこから「御船の滝」へ行くことが出来ますけど、山から下りて元の井光(いひか)林道を更に上がると、林道がちょっとカーブした辺りで道が少し広くなった所の駐車場に滝への表示があり、そこから徒歩で左(北)奧へ約130m、「井光川」に沿って約5分ほど山道を登り、杉木立の森の奧から豪快に流れ落ちる水の音が聞こえて来ると、「御船の滝」です。落差約30m、南向きの滝で、ここも余り水量はありませんが、それでも夏場には、太陽光線の具合で綺麗な虹が出来、厳冬期には、素晴らしい氷瀑を見ることが出来、昔から「水飛沫(しぶき)と岩に十三尊仏と十六善神が示現し、観る人の心を清める」と古文書にあり、奇岩に砕け散って裾模様を広げる流身が美しい滝です。なお、静かに眺めるならば、滝の前面の急な崖を登って、東屋風の休憩所がある対岸の崖の上からベンチに座り、ゆっくりと落ち着いて眺めることが出来、何時まで見ていても飽きない滝です。
注:御船の滝の写真の上にマウスを乗せると、氷瀑の滝の写真が現れます。
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