葛城山および葛城古道  その2

 鴨山口神社(TEL 0745-62-5386)

 大正小学校から葛城山へ向かって真っ直ぐ西へ向うと、こんもりとした森が見え、葛城山麓の扇状地、櫛羅大湊(くじらおおみなと)に「鴨山口(かもやまぐち)神社」が鎮座しています。古くは朝廷に皇居の用材を献上する際、山口祭を司った由緒深い神社で、祭神は、大山祗(おおやまつみ)命、大日?(おおひるめ)命、御霊大神(ごりょうおおかみ)、天御中(あめノみなかぬし)尊、延喜式神名帳に「山口神社」は14社あるけど、その内ここ葛上郡の当社が本社で、式内大社として格式が高く、拝殿は瓦葺、本殿は春日造桧皮葺、室町時代の2体の神像、共に重文の「木造大日?貴命坐像」「木造御霊大神坐像」があります。
 よく見落とされる「六地蔵石仏」

 鴨山口神社の北側に建つ鳥居を出たなら左(西)に曲がり、神社の裏手を通る県道30号の御所香芝線を渡って、少し行くと三叉路の南東角に縦1m、横2mの大きな石の表面に「六地蔵」が彫って在りますが、西に葛城山(標高959.2m)がぐっと聳えているので、山にばかり見とれていると、つい見逃してしまいます。なお、ここまで御所駅から2キロ程で、歩くのがしんどかったら御所駅から葛城ロープウェイ前行のバスに乗って、5つ目のバス停「猿目橋」で下り、そこから東へ歩くと「六地蔵石仏」の角で、このから南へ歩くのが普通で、ここが葛城古道の出発点です。後は、道の所々に行き先を示した柱が立っています。
 お不動さんと「櫛羅町石」

 「六地蔵」から南へ行くと、「葛城古道」ですが、そのまま真っ直ぐ西へ坂道を登って行くと、葛城山のロープウェイ前駅に至りますが、また、坂道の途中に祠が在って、中に「流不動明王」が祀られています。そして、お不動さんの前に「櫛羅町石(くじらちょうせき)」が立っています。これは昔、葛城山の中腹に在った安位寺を示すものと考えられ、正面に「七町・嘉元二年五月廿日・金剛佛子蓮覚(南)」と刻まれ、高さ112cmで、21cm角、なお、上部が折れているため元の高さは判りませんが、嘉元2年は、西暦1304年で鎌倉末期に当たり、町石としては全国で3番目に古いもので、大和を代表する貴重な柱です。




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