大滝の郷「川上村」  その1

 もくもく館(TEL 07465-3-2929)

 大きな滝が沢山ある奈良県吉野郡川上村へ行くには近鉄吉野線「大和上市駅」から宮滝を通り、消防署の三叉路を右へ曲がり、「五社トンネル」を抜けると、「川上村」で、バス停「西河」まで「大和上市」からバスで約25分。「五社トンネル」の方まで少し戻り左へ曲がると、林業資料館山幸彦の「もくもく館」と川上村観光案内所の「てくてく館」が建っています。「もくもく館」は、入館料300円で、10:00〜17:00まで開館し、毎週水曜日と年末年始が休館です。なお、建物そのものが展示物で、また、館内で吉野杉の歴史や特徴、林業を通して見た川上村の文化や生活等を3Dシアターやビデオで紹介しています。
 蜻蛉(せいれい)の滝

 「もくもく館」と「てくてく館」から西へ行くと、あきづの小野スポーツ公園(TEL 07465-3-2855)があり、更に西へ向うと「蜻蛉の滝」へ至ります。落差約50mなので、写真では上半分しか写っていません。なお、蜻蛉とは、トンボの事で、第21代雄略天皇がここら辺で狩りしていたら、突然大きな虻(あぶ)が飛んで来て、天皇の肘(ひじ)に食らい付き、すると何処からか蜻蛉が現れ、虻を噛み殺したので、天皇が大いに喜び、この地を蜻蛉に因んで蜻蛉(あきづ)野と呼び、瀧の名を「蜻蛉の瀧」としました。また、瀧の飛沫が美しい虹をつくるのでこの辺りを一名「虹光(にじっこう)」とも呼び、松尾芭蕉や本居宣長も来て、万葉集でも巻6−907などで詠われています。

 滝の上の三船の山に瑞枝さし
 繁に生ひたる栂の木の いや
 継ぎ継ぎに万代に かくし知ら
 さむみ吉野の 秋津の宮は・・
 土倉(どぐら)庄三郎翁の像

 「蜻蛉の滝」からまた東へ戻り、国道169号線を南へ向うと、バス停「大滝」に「土倉庄三郎」の銅像が立っています。彼は1840年(天保11年)川上村大滝に生まれ、「土倉式造林法」を確立し、「秋田杉」「木曽桧」と並んで日本三大人工林の「吉野杉」の基を築き、全国各地、遠く台湾までも、その造林指導を広め、「日本の造林王」と称され、莫大な私財を3つに分け、1/3を国や社会に、1/3を教育に、1/3を事業に投じ、道路や河川の改修を始め、同志社、日本女子大創設に貢献し、その業績は、各方面に及び、また、「自由民権運動のパトロン」としてその名が広く知られ、大正6年78歳で亡くなりました。
 吉野川「友遊(ゆうゆう)橋」

 バス停「大滝」から国道169号線を東南へ向かうと、川上村の中心部へ至りますが、ちょっと道を横へそれて、「吉野川」沿いに下流(北)へ辿ると、川の対岸にだけ吊塔を設置した単純吊橋工(ダイヤゴナルハンガー)の「友遊橋」が架かっています。幅2m、橋長130mで、平成10年に「自然資源活用型交流促進施設」として整備された観光遊歩道橋です。橋は景観への配慮と主桁の剛性(強さ)を高めるため、主ケーブルから垂らしたハンガーが傾く斜めハンガーを採用し、風による振動に対しても比較的有利な構造になっていて、全国的にも珍しい工法を採用している吊橋で、設計は建設環境研究所、施工は川田工業です。




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