割箸と三宝の「下市町」  その3

 波比売(はひめ)神社

 下市から県道20号下市宗檜線のバス停「上栃原」まで行き、そこから栃原岳(標高526m)に登ると「波比売神社」が鎮座します。730年(天平2年)11月11日に創建され、水の神、雨師の神の「弥都波比賣神」を祀っています。なお、栃原岳(とちはらだけ)は白銀岳(西吉野村)、櫃ケ岳(ひつがだけ、下市町、西吉野村)と共に「吉野三山」の1つです。また、栃原岳が金山、白銀山が銀山、櫃ケ岳を銅山とも別称され、それぞれの頂上にも水の神が祀られて、今も人々の信仰を集めています。お天気さえ良ければ栃原岳の頂上に位置する「波比売神社」から下市町に接する大淀町や五條市の市街地が北に一望されます。
 史蹟「樺の木(かばノき)峠」の角屋

 バス停「上栃原」から更に南へ行くと、次のバス停「平原口(へいばらぐち)」の辺りが「樺の木峠」、古くから下市と十津川を結ぶ「十日市街道(下市宗檜街道)」の難所で、昔は行き交う人々を迎える茶店が数軒ありました。その内の一軒が角屋と呼ばれた榎氏宅で、現在も多くの人々で賑わった往時の趣を留めています。なお、この周辺には昔、古薬草園があって、また、1863年(文久3年)9月10日、天誅組と幕府方諸藩連合軍との間で、栃原、樺の木峠の戦闘があり、敗北した天誅組の残していった塹壕跡が今でも周辺にあります。そのとき周辺の茶屋も陣所に当てられ、その大半は天誅組の敗北と共に焼失しています。
 下市町梨子堂の氏神「八幡神社」

 なお、県道20下市宗檜線のバス停「上栃原」から国道309号線の「下市温泉」まで「里山ハイキングコース」約7kmがあり、バス停「平原口」の50m先にある昔の茶店「角屋」から比較的平坦な山道で、右手に始めの梅林があり、そこを過ぎて民家の軒先を歩くと、今度は左手にまた梅林があり、更に進んで、ハイキングコースを「上栃原」から約1.4キロ来た所が下市町梨子堂です。そこから更に少し上がって、コースからちょっと外れて左の森の方へ入って行くと梨子堂の氏神で、応神天皇が祀られた「八幡神社」が鎮座しています。また、ハイキングコースへ戻って、少し上がると柿園で、下市温泉まで後約4キロです。




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