日本一広い村「十津川」  その1

 長殿(ながとの)発電所

 奈良県の最南端、紀伊半島のほぼ中央に位置して、和歌山・三重の両県に接し、東西33.4キロ、南北32.8キロ、面積672.35平方キロで、日本一広い村、「十津川村」へ北から入るには、五條市から国道168号線で、五條市西吉野町・大塔町を通って天の川沿いに南へ向うと、バス停「長殿発電所前」に至り、十津川村内で最も古く、最も小さい関西電力の「長殿発電所」で、昭和12年に建造され、最大出力15000キロワット、発電された電力は県内に送電し、その内2000キロワットが十津川村で消費されます。なお、昭和57年からは無人発電所で、十津川村旭の奥吉野発電所から遠隔操作がなされています。
 十津川旭の「旭ダム」

 バス停「長殿発電所前」からまた国道168号線を「十津川」に沿って南へ向い、バス停「旭口」から左へ折れて、「旭川」沿いに東へ向う道は、「もみじ街道」と呼ばれ、約8キロ先に「旭ダム」があり、旭ダム湖畔まで毎年11月初旬紅葉が色付きます。なお、「旭ダム」は、新宮川水系の「旭川」に位置し、堤高86.1m、昭和58年に完成した「奥吉野揚水発電所」の下部貯水池で、上部に瀬戸谷を「瀬戸ダム」で堰き止めた上部貯水池の「瀬戸貯水池」があります。また、「旭ダム」は近年、流域の崩壊地が拡大して、何ヶ月間にも及ぶ濁水の長期化現象が生じたのに加えて、当初の予測を上回るダム堆砂が進行していましたが、これらの問題を解消するために抜本的な対策として、「旭ダムバイパス放流設備」が新たに完成し、日本土木学会で「ダムにおける新たな土砂管理システムの構築」として認められ、事業主体の関西電力と、水理設計を担当されたニュージェックが、平成11年度土木学会技術賞を受賞し、その栄誉に浴しています。
 旭(あさひ)エレハウス

 なお、ドーム型アーチの「旭ダム」は、堤頂長(下流面延長)197.4m、堤頂幅3メートルで、高さ86.1m、流域面積が39.2平方キロメートル、総貯水量1592万立方メートル、放流管から吐き出される最大放量は毎秒100立方メートル、そして、幅36メートルある3門の洪水吐ゲートから吐き出される最大放流量は1200立方メートルです。また、「旭ダム」から更に下部貯水池の「旭貯水池」沿いに東奧へ約2キロ進むと「旭エレハウス」があります。9:30〜16:30まで自由に入って見学ができ、12月〜2月の土・日・祝日および3月〜11月の土曜日が休館。館内にダムや発電所の説明があります。




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