日本一広い村「十津川」  その12

 誰でも自由に乗れる「野猿(やえん)」

 「昴の郷」の西の外れに「西川」が流れて、そこの川原に川と平行に「野猿」が架かっています。なお、「野猿」とは、「人力ロープウェイ」の事で、普通は川の両岸から川の上に張られたワイヤーロープに木でこしらえた「屋形(やかた)」を吊り下げて、対岸に渡りたい人が、これに1人で乗り込んで、自分自身が引き綱をたぐり寄せながら移動して対岸に渡ります。猿が木のつるを伝って行く様子に似ているので、その名が付けられました。また、「十津川村」では、ここ「昴の郷」の他に、「昴の郷」の広場の南にあるトンネルを抜けて「十津川温泉」から西の「上湯温泉」へ向かう「上湯川」の川沿いにも「野猿」があります。
 熊野古道の1つ「小辺路(こへじ)」

 「昴の郷」からまたトンネルを抜けて東へ戻って、国道168号線の「柳本橋」を渡って直ぐ、右へ曲がって上がると、車道の左脇に「熊野古道小辺路」への登山口があります。真言宗の総本山である「高野山」から「野迫川村」「十津川村」を通り「熊野本宮」へ向かう「熊野古道小辺路」は、紀伊半島の山岳地帯をほぼ一直線に縦断する峠越えの山道です。距離にして約72キロあり、平成14年8月18日「遊歩百選」に選ばれ、他の「熊野古道」よりも短いけど、上がり下りの起伏が一番激しく、十津川村内延長約33キロあり、ここから南へ辿る「果無(はてなし)峠」越えの道も、苔むした石段が続き古道の風情が漂います。
 「二津野(ふたつの)ダム」

 また、国道168号線へ戻って「二津野ダム湖畔」沿いに南へ辿り、バス停「二津野」を過ぎてから左へ下ると、やがて前面に電源開発(株)「二津野ダム」が見えて来ます。一級河川、熊野川水系十津川に昭和37年に竣工した越流型アーチ式ダム、高さ76m、長さ210.6m、貯水量1千100万立方メートルで、発電のための搭式(高さ31m)取水口の内径は10m、最大取水量が1秒間に75立方メートルで、そして、内径5.8mの円形圧力トンネル型式の長い導水路7990mと水圧管路188.3mを下って、屋内式の発電所でタテ軸フランシス型水車発電機1台を廻し、6万キロワットの電気が発電されています。




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