月ヶ瀬  その5
 巨石に刻まれた「千体磨崖仏群」

 「善法寺」から更に雲影山の方へ上がると、重要文化財「菊家家住宅」がありますが、そのちょっと前を左へ入った所の崖に巨石が横たわり、崖淵の方に廻ると、側面に高さ30cm大の「千体仏」が数十体刻まれています。なお、元は百体もあったが道路拡張で、三分の一ほど割り取られたとか。それにしても何故、この地区に何時、誰がこの様な仏像を刻んだか、その詳細は不明ですが、その昔この谷の一番高い城庵の一角が崩れ落ち、多数の人家が大災害に遭ったと伝えられ、村人達がその後の安泰と供養のため、残る大石に仏像を刻み、その無事を祈願したのではないかと思われ、この地区には各所にこの様な大石が存在します。
 重要文化財「菊家家住宅」

 「千体磨崖仏群」から又坂道を上がって直ぐの所に「菊家家住宅」が建っています。奈良から柳生街道を経て伊賀上野へ至る道筋にあり、元は農家の外に旅籠屋も兼業し、その当時の屋号が「菊家」で、主屋の建築年代は明らかでありませんが、18世紀初頭頃と考えられ、部屋は前屋敷をとった二間取り形で、古風な平面を持って東半分を土間とし、その前面に「馬屋」を設け、西半分は前面を「座敷」、背面を「台所」と「納戸」にしています。また、「座敷」には、中央に柱が建って、その正面は突止溝に戸板と障子を入れ、「台所」は解放、「納戸」床は竹座になっています。
 県境辺りの「高山ダム湖」

 「菊家家住宅」から西へ行くと、県道4号笠置山添線に出て、そのまま西へ辿ると、山越えで奈良市邑地(おうじ)町のバス停「邑地中村」へ至りますけど、県道4号笠置山添線へ出て、直ぐに東へ辿ると、また高山ダム(五月川)の上に至り、北へ行くと県境で、京都府相楽郡南山城村に入って、バス停「松笠」から18:00頃、JR関西線「月ヶ瀬口駅」行最終バスが出ています。なお、この辺りから北へ11キロ行くと、南山城村南大河原で、この間の道路は、異常気象時、連続雨量120ミリに達すると、木津土木事務所(TEL 07747-2-1151)から通行規制が行われる区間、県道82号上野南山城線ですが、景色の良い所です。




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