句碑の郷「東吉野村」  その10

 清流中の清流「高見川」

 吉野郡東部に位置する「高見山」「はんし山」の西側から流れる「平野川」「杉谷川」の2川が合流して「高見川」となって南へ流れ、更に「台高山脈(国見山、明神平、薊岳)」の西側から流れる「大又川」と「麦谷川」が合流した「四郷川」と、「日裏川」が東吉野村小の「丹生川上神社中社」の辺りで「高見川」に合流して西へ流れ、川上村から流れる「吉野川」に「高見川」が合流し、「吉野川」は、和歌山県に入り「紀ノ川」と名を変え「太平洋」へ流れ込みますが、東吉野村の「高見川」では、「丹生川上神社中社」前で、透き通る水が川底を見せて、淀みではエメラルドグリーンの水面を見せ、鮎、アマゴが泳いでいます。

 厳島(いつくしま)神社

 「丹生川上神社中社」から又東へ戻って、バス道路を「蟻通渓谷」沿いに東へ辿ると、「四郷川」と交叉する手前がバス停「三尾」で、「厳島神社」が鎮座して、境内の片隅に「森田峠」の句碑が建っています。

  よき渕へ 下りる径あり 宮涼し    峠

 俳句につられて神社の裏の「蟻通渓谷」へ下りると、ちょっとした淀みで、水が真っ青な「良き渕」です。なお、森田峠は、大正13年大阪に生まれ、國學院大国文科を卒業し、昭和17年より「誹諧」へ投句し、昭和19年小諸の虚子を訪ねて「峠」の号を授かる。

 蔵心寺(ぞうしんじ)

 「厳島神社」の前から細い道を南へ上がって行き、途中から右へ曲がり西へ進むと、集落を抜けた東吉野大字三尾の高台に曹洞宗、瑞芳山「蔵心禅寺」があります。三尾の集落を見下ろす境内には「大ケヤキ」の大木が植わって、釈迦如来石仏があり、大屋根の入母屋造の本堂は、小さな鯱を乗せて堂々の造です。毎年1月18日が「大般若会」で、8月7日「七日盆(盆のはじめで、盂蘭盆の行事の初めの日の旧7月7日を云い、俳句の季語では秋です)」、8月14日「孟蘭盆(うらぼん、陰暦7月15日を中心に行われる仏事、現在は13日夜迎え火を焚いて先祖の霊を迎え入れ、16日夜に送り火で霊を送ります)」が行われます。




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