こもりくの泊瀬「初瀬街道」長谷寺の辺り  その1

 椿山山の辺(TEL 0744-42-2757)

 近鉄大阪線「朝倉駅」から北へ行き、「初瀬川」を渡り、次の四つ角を左へ曲がって、国道165号線を横切って、県道199号慈恩寺三輪線を西へ辿ると、この道は「東海自然歩道」でもあり、「山の辺の道」へと繋がっていますが、大きく二股になった所を更に真っ直ぐ右へ行くと、道の右側に万葉集巻3−265の歌碑が建っています。そこから右へ上がると、すぐ「椿山山の辺」の入口が左にあります。大和青垣国定公園、万葉ゆかりの海柘榴市(つばいち)の里、椿の国の椿の名所です。毎年2月1日〜5月15日まで、10:00〜17:00、一般公開されて、入山料が300円。「玉椿」等の咲く、見頃は3月下旬です。
 慈恩寺「阿弥陀堂(TEL 0744-42-7703)

 大和三山を望む絶好のポイント「椿山」から、また県道199号慈恩寺三輪線を東へ戻り、国道165号線の手前を左(北)へ入って、天理教長谷川分教会の角を曲がり、真っ直ぐ東へ行くと、左(北)側の奥に慈恩寺「阿弥陀堂」があります。市指定の本尊「阿弥陀如来坐像」は高さ87cm、桧の寄木造、藤原時代(平安時代後期)の作、温厚な顔立ちと優雅な姿は当時都で流行の作風「定朝様」で、脇侍の観世音菩薩と大勢至菩薩の阿弥陀三尊像です。なお、境内入口石段の横に県指定「欅の巨木」があり、樹高15m、幹周り6m、推定樹齢800年で、地元では「阿弥陀寺のケヤキ」、「雷の落ちた木」などと呼ばれています。
 玉列(たまつら)神社

 慈恩寺「阿弥陀堂」の隣に、三輪明神、大神(おおみわ)神社の境外摂社、式内「玉列神社」が鎮座し、古くは、玉椿(たまつばき)大明神とも云われ、初瀬谷(はせだに)最古社の1つです。祭神は大物主神の子、玉列王子(たまつらノみこ)神で、玉列は魂貫の意です。なお、配祀として増祀された、天照大御神と春日大神の2神を祀っています。また、境内社には、金山彦神社、愛宕社、琴平神社、猿田彦神社、祓戸神社の6社を祀っていますが、草創その他、詳しい事は判りません。例祭は毎年10月12日です。ここからかっての伊勢参り、長谷詣での「伊勢街道」、または「初瀬街道」と呼ばれた旧街道を東へと向かいます。
 外鎌山(とがまやま、朝倉富士)

 慈恩寺の「阿弥陀堂」から伊勢街道を東へ向うと、国道165号線と近鉄大阪線を挟んで、南に朝倉富士(外鎌山、標高293m)が見えます。登山は近鉄の大和朝倉駅から南の高台へ上って、朝倉台西6丁目と7丁目の間にある外鎌山配水池のタンクを目印に桜井ガス朝倉ガスセンターの横に登山口があり、万葉集の巻13−3331で「忍坂の山」と歌われ、南朝の忠臣・玉井西阿の最後の砦があった頂上は、三等三角点で、西阿公の碑と二竜王を祀る碑があり、木の間隠れに西に二上山から葛城、金剛、そして、手前に大和三山、北に三輪山、南に多武峰、音羽山が望まれ、南麓へ下ると、大伴皇女墓と鏡女王押坂墓の横へ出ます。




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