「香芝市」から 「王寺町」辺り  その5

 浄土宗「専称寺(せんしょうじ)」の枝垂れ桜

 香芝市穴虫の「大坂山口神社」から、ちょっと東へ戻って右へ廻り、旧道を南へ辿ると、1キロ足らずで近鉄南大阪線「二上山駅」に至ります。踏切を渡って更に南へ進み、「二上山」登山道を上がって行くと、畑の集落の西に天祈山「専称寺」があります。4月の上旬なら樹齢150年の「シダレ桜」が山門を入った直ぐの境内で見事な花を咲かせ、県の保護樹木です。本堂に安置される本尊「木造十一面観音菩薩立像」は市指定文化財で、檜の寄木造、漆箔で仕上げられて、像高96cm、全体に柔らかく安定感のある像容で、鎌倉時代前期の特色をよく残し、香芝市内では最古の木造仏。なお、更に数体の仏像が安置されています。
 県天然記念物「屯鶴峯(どんづるほう)」

 「専称寺」から西へ向かって、大和高田バイパスに入って更に北西に向かい、近鉄南大阪線をまたいで、国道165号線に入らず、左へ曲がって近鉄南大阪線に沿って西へ上がって行くと、右側に「金剛生駒紀泉国定公園」内の、奇勝「どんづる峯」の看板が建っています。階段を上がると、やがて、鶴が屯(たむろ)している様にさえ見える白い地肌が視界に飛び込んで来ます。「二上山」の北麓に位置し、標高約130〜150mの白き峯々が規則正しく連なる「屯鶴峯」は「二上山」の火山活動によって噴出した白い灰が固まって出来た「凝灰岩」の峯で、それが隆起と風化浸食を受け、写真の様な奇岩、奇勝を造り出しています。
 楠公旧蹟「身替観音寺(かんのんじ)」

 「どんづる峯」から谷間に下りて、少し水が流れる木立の中の山道を北へ辿ると、採石場への道へ出て、国道165号線へ抜けられますが、足場が悪いので、元の大和高田バイパスまで戻って、国道165号線を北へ行き、近鉄大阪線の踏切を渡り、更に北の集落へ入ると「観音寺」です。本堂に安置されている本尊は「木造千手観音菩薩立像」で、その昔、楠正成が北条幕府方と戦った際に敵の矢を数十本も身に受けましたが、体に傷1つなく、代わりに当寺の本尊の胸が血に染まっていました。今もその傷跡を残す本尊は「矢受観音」「身代わり観音」と呼ばれ、ご本尊を拝すれば大厄難に際し観音の妙智力で除災の霊験を受けます。




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