「香芝市」から 「王寺町」辺り  その6

 「籏尾(はたお)池」(上池)

 「観音寺」から近鉄大阪線に沿って東へ約800m行くと、近鉄「関屋駅」で、駅から北へ向かい、「西名阪自動車道」の下をくぐって、大きな道を更に北へ約800m進み、右へカーブする手前で右の住宅街へ入って行くと、「籏尾池」です。堤長234m、堤高11.7m、受益面積50.3ha、手の平を広げた様な形をした池で、法隆寺の古文書に、「推古15年(607年)秋9月聖徳太子、天皇に奏して築き給ひし・・・」と記され、法隆寺と縁の深い池で、周囲約2km、面積6.6ha、近隣市町村では最大の溜池です。なお、池の名は「カタオカ(片岡)」から「ハタオカ(籏岡)」、そして今の「籏尾」に転訛です。
 「下池」の近くの「道標」

 「籏尾池」南端の土手から近畿自然歩道の急な階段を南へ下りて、そのまま真っ直ぐ集落の方へ進むと、また、西名阪自動車道の下をくぐって直ぐ、「下池」に至ります。なお、「下池」は先の「籏尾池」と親子池で、古来より共に潅漑用水源で、「下池」の柳は、「弘法大師が、柳箸を地面に刺したら生育した柳」とか。また、「下池」南端の地蔵堂の祠から南へ行くと直ぐ三叉路の角に、大きな「道標」が建っています。側面に「泉州堺。左たわらもと、ほう里、うじ。右たへま、はせ、いせ」とあり、堺から来て、左に行くと田原本街道で法隆寺、宇治へ。右に行くと長尾街道で当麻寺へ。および、長谷寺、伊勢への分岐点でした。
 香芝市内で最古の紀年銘入り「道標」

 大きな「道標」に従い、少し急な坂道を「右当麻、長谷、伊勢」の方へ下ると、「関屋あしびハイツ」の崖の下で、また、道路の右側に瓦屋根を乗せた支柱の中にお地蔵さんが収まっておられます。そして、その横に「川よりみぎ、たえまみち、大みちハはせみち」と彫られた小さな「道標」が建っています。よく見ないと見落としますが、延宝7年(1679年)の銘があり、ここがその昔、「長尾街道」と「初瀬街道」の分岐点で、ここから川沿いに右へ行くと「長尾街道」で「当麻寺」へと向かいますが、真っ直ぐ大きな道を東へ行くと、長谷詣での「初瀬街道」で「大和高田」から「桜井」を通り、更に「伊勢街道」へ至ります。




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