山の辺の道  その20

 長岳寺の参道に咲く「平戸ツツジ」

 5月に背丈程の高さで参道両側に咲く平戸ツツジの間を通って、重文の「庫裏」の所で、入山料300円払ってパンフレットを貰い入山します。拝観時間は、10:00〜17:00で、受付の横の門を入ると、1630年(寛永7年)建立の元頭塔「普賢院」で、玄関は桃山様式ですが、靴を脱いで上がると、左側の広縁、床の間、書院等は室町様式を示し、広縁の端に1631年(寛永8年)に建立で重文の「延命殿」が在り、宝形造で桧皮葺の小堂で、唐戸、草花模様の蛙股は桃山風を示し、中には庫裏の持仏で本尊の「普賢延命菩薩」が祀られています。また、玄関の右横から入って行くと、勝手に飲んでよいお茶が置いてある土間で、三輪素麺(冬はにゅう麺)一杯700円です。
 長岳寺の重文、日本最古の「鐘楼門」

 「庫裏」から出て石段をちょっと上がると、写真の様な入母屋造り、重層の屋根、柿葺(こけらぶき)の「鐘楼門」で、平安時代に建立され下層が円柱、三斗(みつと)の出組みで持って上層の勾欄付回縁(こうらんつきまわりえん)を支えています。上層の柱間は吹放になっていて、元は中に鐘を釣っていたので今も「鐘楼門(しょうろうもん)」と云われていますが、現在そこには鐘が無く、お寺の「鐘楼」は池を廻った境内の奧に在り、誰でも備え付けの筒に100円入れたら、勝手に撞かせてもらえます。なお、鐘楼門から中に入ると大きな放生池を前にして「本堂」が建ち、更に石段を少し上がった奥に「大師堂」も在ります。
 長岳寺(TEL 0743-66-1051)

 真言宗の「長岳寺(ちょうがくじ)」は、824年(天長元年)第53代淳和(じゅんな)天皇の勅願により弘法大師の空海さんが大和神社の神宮寺として、長岡の釜ノ口に建立したと伝えられ、全盛時は42の堂宇を数え、1225年(嘉禄元年)8月に西大寺の叡尊(興正菩薩)さんが若い頃ここで修行しました。写真の「本堂」は、1783年(天明3年)8月再建され、本瓦葺、7間4面、向拝付で、安置されている重文のご本尊は、像高約140cmの阿弥陀如来で、また、脇侍は観世音菩薩、大勢至菩薩の半伽像、本尊と併せて阿弥陀三尊像で、我が国最古の玉眼仏です。その他に重文の多聞天、増長天も安置されています。




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