大峯山の麓、天川村、洞川  その4

 洞川エコミュージアムセンター
    (TEL 0747-64-0999)

 「大原山自然遊歩道」を麓へ下りると、「山上川」沿いに「洞川自然研究路」が東へ続いていますけど、少し西へ戻ると「洞川エコミュージアムセンター」があります。自然、清水、修験道をテーマに大峯山系の自然を生かした体験型博物館で、大峯山系の立体模型があり、水、風、火、大地などを巡る6つのゾーンで自然のすばらしさを体験できます。なお、大峯山系は奈良県を南北に二分する吉野川の南に位置し、険しい山また山が連なる吉野山地内にあり、その吉野山地が吉野川、北上川、十津川の3河川の深い谷によって、東から大台ケ原山地、大峯山地、伯母子山地の3つに分けられ、いずれも壮五期の険しい山々が続きます。
 洞川自然研究路「蟷螂窟(とうろうノいわや)」

 「山上川」に沿った「洞川自然研究路」には写真のような洞窟がいくつかありますが、これらの洞窟は、修験者が座し、本尊と対峙して霊力を身に受けるが、「蟷螂の窟」もその中の1つで、役行者が大峯山寺を建立した約1300年前、大峯山中「第一の行場」として開きました。なお、蟷螂とは「かまきり」の別名ですが、水の浸触により変化に富んだ神秘的な洞内へ入って行く時の修験者の姿が「蟷螂」に似ています。また、修験道中興の祖・聖宝理源大師が、890年頃(寛平年中)宇多天皇の勅命により大峯山再興の時、法力によって、大蛇を退治したのもこの辺りですが、近くに「蝙蝠窟(こうもりノいわや)」もあります。
 洞川自然研究路「カジカの滝」

 更に山上川を溯ると、「カジカの滝」があります。カジカとは、清流に生息するカエルの仲間のことで、春から夏にかけて鈴を転がすような美しい声を聞かせます。また、この滝の周辺にある岩石は、花崗閃緑岩(かこうせんりょくがん)と云い、大変に硬い岩からできています。なお、花崗閃緑岩には節理(われめ)が多く、そこに川の水が入り込むと、時として大きく剥がれ落ちてしまうので、このような滝ができます。また、この付近には白い岩も多く見受けられますが、これは石灰岩で、古代生物を含む石灰岩の地層では、永い年月の間に雨水や地下水が石灰分を溶かし、鍾乳洞を造りますが、石灰はセメントの原料になります。




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