「大和三山」と「長寿道」の辺り  その17

 香久山特別保存地区「万葉の森」

 「法然寺」から又戻って東へ行くと、「香久山」の東側へ登って行く車道があり、そこを北へ上がると、香久山特別保存地区「万葉の森」へ至ります。森林内に、「緑化樹展示園」「水生植物展示園」「万葉植物展示園」「桜展示園」「紅葉展示園」「野鳥誘致園」「椿展示園」「梅園」等があって、万葉集に詠まれた万葉植物が73種植栽され、イチイガシ、馬酔木(あせび)等それぞれの植物に例歌をあげて解説し、桜は県花「奈良の八重桜」を中心に約20品種の代表的な桜が植栽され、また、秋に紅葉するカエデ類、山紅葉類と共に、野鳥が好んで食べる実のなる樹木は、モチノキ、モッコク、ハナミズキ等が植栽されています。
 興善寺(こうぜんじ、香久山寺)

 「万葉の森」の散策道を辿って、また南へ向かうと真言宗、豊山派、香久山「興善寺」があります。天の香久山の東側で、橿原市戒外(かいげ)町に位置し、古代は「天照大神宮」を祀り、出土の古瓦から創建は白鳳時代で、中世は興福寺に属し「香久山寺」、また「興福寺三学院」と称し、僧坊8宇を有する大寺で、大安寺道慈法師が開基、江戸時代は高三十石御朱印の寺です。なお、古くから「香久山の文殊さん」と呼ばれ、御本尊の「木造渡海文殊菩薩騎獅像」は、脇侍に4人の眷属(けんぞく)を従えた見事な仏様で、室町時代中頃、1463年(寛正4年)大仏師備前定英の作、他に十一面観音、不動明王、弘法大師像もあり。
 橿原市昆虫館(TEL 0744-24-7246)

 「興善寺」の直ぐ東奧に「春日神社」が鎮座していますが、「興善寺」から南へ下りて、車道へ出たら左(東北)へ折れると、右(東)に「ふるさと公園」があって、ちょっと急な斜面の舗装道路を上がると、「橿原市昆虫館」です。入館料は400円、毎週月曜(月曜が祝日の場合は、その日以降の最も近い休日でない日)と年末年始が休館で、数多くの昆虫をパネルや標本、映像で楽しめる「標本展示室」、昆虫の生態を見せる「生態展示室」、奥に進むと「放蝶温室」があり、椰子やハイビスカスなど亜熱帯地方の植物や花が咲き乱れ、四季を通じ優雅に舞う「オオゴマダラ」蝶と共に世界一小さい「ハチドリ」が飛んでいます。




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