旧柳生街道「滝坂の道」  その9

 円成寺の鎮守、国宝「白山堂」「春日堂」

 円成寺の境内東側に我が国最小の国宝建造物である「白山堂」と「春日堂」が鎮座しています。両堂とも1228年(安貞2年)奈良の春日神社(今の大社)造営の際、神主大中臣時定が旧社殿を当山の鎮守社として寄進しました。一間社春日造、檜皮葺、春日造の社殿としも我が国最古で、蟇股(かえるまた)、懸魚(げぎょ)、高欄(こうらん)、斗供(ときょう)等に鎌倉建築の特長をよく備え、「白山堂」には白山大権現を祀り、「春日堂」には春日大明神を祀っているが、「春日堂」殿内に蔵する6枚の棟札は、鎮守社の沿革や円成寺の歴史を知る上で貴重な文献でもあり、これらも共に昭和28年国宝の指定を受けています。
 円成寺の歓請縄(かんじょうなわ)

 「楼門」の下で、「庭園」の北側の道は、かっては県道が通り、池も荒廃していましたが、昭和36年に県道(今の国道369号線)が「庭園」の南側に移され、更にその後、池の発掘調査や復元修理が行われ、昭和51年に昔日の姿を取り戻していますが、庭園は平安時代末期、寛遍僧正の造築です。なお、境内から東へ出る所に「歓請縄」がぶら下がっていますけど、これは神聖な場と不浄な外界とを区別するためにある注連縄(しめなわ)の一種です。「歓請縄」をくぐり東へ出ると、バス停「忍辱山」で、更に少し東へ行って、国道369号線から右に外れ、東海自然歩道「旧柳生街道」を進むと、剣豪の里「柳生」へ至ります。




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