奈良市の東端「田原」「水間」から「山添村」  その9

 山添村歴史民俗資料館(TEL 0743-85-0250)

 JRまたは近鉄「奈良駅」から「下水間」行バスで終点まで行き、「波多野郵便局前」行に乗り換えて、バス停「春日学園前」で下りると、目の前が「やまぞえ小学校」で、手前に明治36年「春日小学校講堂」として建てられ、今は県有形文化財「歴史民俗資料館」が明治和風建築の粋を集めた優美な姿で建っています。入館は無料で、9:00〜16:00まで開館され、休館は、毎週月曜(祝日と重なる時は、その翌日)と祝日の翌日、および年末・年始(12月25日〜1月5日)です。館内に山添村から出土した縄文時代草創期の「大川(おおこ)遺跡」の考古遺物や、「毛原廃寺跡」出土の瓦、農具・民具等が展示されています。
 郷社「神波多(かんはた)神社」

 バス停「春日学園前」から県道80号奈良名張線を東へ行って、バス停「波多野郵便局前」から更に少し東へ行き、三叉路を左へ曲がり、北へ向かうと直ぐに「神波多神社(牛頭天王)」が右(東)の高台に鎮座しています。「延喜式」神名帳にその名が見える古社で、「延喜式」臨時祭に畿内堺10ケ所に祀った徐疫神のうち「大和与伊賀堺」に祀られた神と考えられ、本殿の西方から出土した平安時代の古鏡や、正和元年(1312年)の銘を刻む村指定文化財「石灯籠」等があり、かなり古くから信仰を集めていた様ですが、1581年(天正9年)織田信長の伊賀攻めの際に、兵火に遭い、縁記等の資料を欠き、詳細は不明です。
 県指定文化財「神波多神社本殿」と「石灯籠」

 山添村の北東で、中峰山(ちゅうむざん)の西方に鎮座する「神波多神社」は、古くより徐疫神の「牛頭天王(ずとうてんのう、素盞鳴命)」を祀り、「波多(はた)の天王」として信仰され、毎年10月15日秋季例祭「天王際り」には神輿のお渡り、獅子神楽等が行われ、多くの人々で賑わいます。なお、本殿は、五間社流造、檜皮葺(ひわだぶき)で銅板覆い、礎石建ての社殿で、正面の屋根中央に千鳥破風が置かれ、正面に一間の向唐破風の向拝が付いています。また、写真の中央に見える正和元年の銘がある「石灯籠」の他に正平十四年(1359年)の銘がある「石灯籠」が本殿の背後にあり、共に山添村指定の文化財です。




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