こもりくの泊瀬「初瀬街道」長谷寺の辺り  その4

 番外「法起院(TEL 0744-47-8032)」

 「泊瀬石」から長谷寺の門前街を少し西へ戻ると、道の南側、ちょっと奥まった所に総本山長谷寺開山、徳道上人御廟所、西国三十三所番外「法起院」があります。開基徳道上人は、播磨国揖保郡矢田部郷に生まれ、20歳で初瀬の道明上人について仏道を研修し、やがて道明上人と供に長谷寺の開基となり、一度地獄へ赴いて閻魔大王から西国三十三所巡礼の功徳を聞かれ、死歿7日目に再び娑婆へ蘇生して、民衆に霊場巡礼を勧める観音有縁の地三十三所を説き、観音巡礼の元祖で、晩年この地に隠棲し、一宇を営み「法起院」と称されました。また、当院は長谷寺の塔頭の1つで「開山坊」とも称し、本尊は自作の徳道上人像です。
 桜井市指定天然記念物「紅梅」

 「法起院」から更に門前街を少し西へ戻ると、また道の南側に石の册で囲まれた「與喜天満神社御旅所」があって、そこにみごとな2本の「紅梅」の古木が植わっています。西南の角にある「紅梅」は、胸高幹周2.05mで、樹高7.3m、樹幹内は樹皮を残して既に空洞化し、中から子木が伸びています。また、北東の角にもある「紅梅」は、胸高幹周1.73m、樹高9.6mで、樹幹は三度に渡る老化によりジグザグに成長し、樹皮の割れ目から直接歯花芽が出て各所に群がって開花します。なお、樹齢は共に300年以上で、花は共に淡紅色中輪の八重咲き、結果率は極めて低い「紅梅」です。また、開花は毎年3月中旬です。
 白髪(しらかみ)神社

 「紅梅」の巨木から更に少し西へ戻って、反対側の奥まった所を上がった丘の上に「白髪神社」があり、749年(天平勝宝元年)10月15日鎮座、祭神は猿田毘古命(さるたびこノみこと)と妻の天宇豆賣命(あめノうずめノみこと)で、本殿の裏から長谷寺が正面に見えます。この辺り桜井市初瀬の寺垣外、上之森、下之森、与喜浦の4区域の氏神様で、夫婦ご祭神の由縁によって、縁結び、子宝の神として崇められています。また、「白髪神社」へ上がる途中に、小さな「霊符神社」が鎮座し、天地開闢と共に国土を造った神様、国底立尊をご祭神として祀り、今でも、方位造形の神として崇められ、家を建てる時に参拝します。




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