生駒山周辺と信貴山まで  その11

 金勝寺(TEL 0745-45-0110)

 「山口神社」から東へ1キロ下って、竜田川の檪原橋を渡ると直ぐ近鉄元山上口駅ですが、途中のバス停「緑ケ丘ショッピングセンター前」から北へ向かい、国道168号線へ出て南へ行っても少し遠回りですが近鉄元山上口駅へ至り、国道沿いに真言宗室生寺派・椣原山(しではらさん)「金勝寺」があります。行基聖武天皇の勅許を受け、746年(天平18年)に開基と伝えるが、縁起では、行基が宿願あって春日神祠に参籠し、春日明神の夢のお告げで此の地に来て、椣(しで)の霊木で、一刀三礼しながら、本尊「薬師如来坐像」を彫って安置し、また、本堂の左の山手に室町中期の作で、14体の磨崖仏が彫られています。
 「金勝寺」の本堂

 昔は金堂その他36ケ坊を有して隆盛を極めたが、1580年頃(天正年間)松永久秀の焼き討ちにあい寺領地も没収され、山内は一時に衰退し、また、後に焼け残った諸堂および塔中を修復、再建されたのに、またまた、明治16年本坊、宝蔵庫等を全焼し、諸堂および塔中より集めていた国宝級の仏像その他も焼失したけど、明治35年本堂を再建し、更に昭和44年大日堂を解体修理して、阿弥陀堂を新築し、塔中二ケ坊等を復興して、現在は、本堂、阿弥陀堂、大日堂、鎮守三社、宝室神社、総門、南門、東門などを有し、なお、竜田川の対岸、山の上が塔中坊跡(墓地)で、鎌倉時代の十三重石塔、六地蔵等を現存しています。
 竜田川の「勧請縄」

 また、室町時代の薬師如来像などを安置する本堂の左側の岸壁に阿弥陀仏、不動明王、お地蔵さん等14体の磨崖仏が彫られています。そして、山門を出て、椣原橋を渡り、国道168号線を南へ辿ると、竜田川に近鉄生駒線の鉄橋と平行する様に大きな「勧請縄」が渡してあります。これは昔、行基が金勝寺を創建の時に、竜田川の竜穴に住んでいた竜を金勝寺の守護神として祀ったものです。ここら辺りから下流は、秋の紅葉が美しく、それを見るには国道168号線を更に約50m程南下して、近鉄生駒線・元山上口駅の直ぐ手前、竜田川の櫟原橋(いちはらばし)から上流を見ると、切り立った岩が川中にあり、見事な渓谷です。




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