生駒山周辺と信貴山まで  その16
 屋根付きの休憩所もある「星の尾墓地」

 白山神社境内社「若宮」の鳥居の前から急な坂道を登り、山道へ出て右へ辿ると、大きな「十三重塔」や数百の「石碑」「五輪塔」等が堆く積まれた「星の尾墓地」に至ります。総面積は、約3200平方米で、平群谷を始め、大和平野を眼下に見下ろす高台に位置し、墓地内には東屋もあり、昭和50年代に土中の無縁仏を掘り起こして整備されましたが、元々は9世紀後半平安時代、清和天皇の貞観年代(860年頃)に法隆寺中興の祖と云われている道詮和尚が「福貴寺」を創建した頃、平群で農耕が大きく進み、衆力を以て自分達の安全を期す気運と共に集落自治が発達して、この地に人を埋葬するようになったと考えられます。
 十三峠(じゅうさんとうげ、標高430m)

 「星の尾墓地」から更に山道を登ると、「西光寺」「杵築神社」を経て「信貴生駒スカイライン」と交叉する「十三峠」ですが、麓の近鉄生駒線・平群駅から約5.0キロの「十三街道」は、伊勢物語の主人公・在原業平がその昔、天理の自宅から河内高安の彼女の元へ通った「業平道」で古くから開け、河内名所図会(ずえ)に描かれ、竜田から若井、越木塚、福貴畑、四ツ辻より十三峠を越えて、八尾市神立に至る道で、生駒山南部を東西に横断して大和と河内を結び、峠に13個の塚が平均7m置きで南北にあり、中央の王塚(親塚)が一番大きく直径6m、高さ3mで、両側の6個ずつは直径2m、高さ1mほどの小さな塚です。
 生駒縦走コースの展望台「鐘の鳴る丘」

 重要有形民俗文化財「十三塚」のある「十三峠」と交叉する「生駒縦走コース」を北へ少し辿ると、椿の群生した所を通り、歩道橋で信貴生駒スカイラインを渡って「T字ケ池」を過ぎると、標高460mの所に展望台「鐘の鳴る丘」があります。ここから生駒山上遊園地「スカイランド生駒」までは北へ7.5キロ、また、信貴山までは南へ約6キロです。なお、展望台からは西の大阪平野に通天閣、南港大橋などが良く見え、また、昔も生駒(暗峠)を越えた時の万葉歌は、

 夕されば ひぐらし来鳴く生駒山 越えてぞ
  吾が来る 妹が眼を欲り   巻15−3589




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