「桜」と云う言葉は、国つ神の娘、木花開耶姫(このはなさくやひめ)がなまったもので、我が国土着の花木で、バラ科ですが、中国から渡来の梅や杏(あんず)、桃と同じ仲間で、品種が多く300種ほど有り、大別すると、一重の染井吉野と、八重の山桜に分けられ、春を代表する花で、俳句では花と云えば桜を指しますが、万葉集では梅ほどには詠われていませんが、それでも、巻10−1872
に、
見渡せば、春日の野辺に霞立ち、咲にほへるは桜花(さくらばな)かも と詠われています。しかし、この頃はまだ、「染井吉野」はなく、山桜の「八重」で、「染井吉野」が、世に知られる様に成ったのは、そんなに歴史が古くなくて、江戸時代末期から明治初期に、江戸の染井村(現在の東京都豊島区駒込)に集落を作っていた造園師や植木職人達によって、「エドヒガン」と「オオシマザクラ」から出来た品種改良で育成され、それが全国へ広まってから、特に有名になりました。 |